講義 「ポンキエッリ作曲 『ジョコンダ』」by Mr.堀内修 (20181212)
いつも冒頭に、昨今のオペラを話題にする。
堀内さんが言う。
ミュンヘンでの『オテロ』が配信され、『メフィストフェレ』新国立劇場で『ファルスタッフ』という上演には、図らずも共通の人物が関わっていると。そして、今回の『ジョコンダ』もまた、そう、ボーイトが、台本を書いている。
『メフィストフェレ』の成功をみて、リコルディが『ジョコンダ』の台本を書いてくれるように頼んだという。
『ジョコンダ』は第3幕の「時の踊り」だけが一人歩きしているけど、ストーリーはなかなか、ドラマティック。
マリア・カラスがイタリアオペラでデビューしたのがこのタイトルロールとのこと。
無謀なほどの要約すると、
ジョコンダは、自分の愛する人が昔の恋人(人妻)と密会しているのを知らされ、悩むけど、最後は彼の命を救うために、自己犠牲となり死を選ぶ。
自分のものになるなら、彼を助けてやるというバルナバのいやらしさは『オテロ』のイヤーゴのようでもあり、『トスカ』のスカルピアのようでもあり。
仮死状態になる薬は『ロミオとジュリエット』を思い出させるけど、『ジョコンダ』では、息を吹き返し、恋人たちは、ジョコンダを放って、2人で幸せそうに退場していく。
ストーリーはオペラでよくある4角関係(笑)がベースで、悪役バルナバのスパイスがよく効いている。
ジョコンダと、ジョコンダの愛するエンツォの二人がとても難役(歌として)なことと、ジョコンダの母親が盲目で、世間が彼女をいじめるシーンがあるという2つの理由から、現在ではなかなか上演されないのではないかとのお話でした。
エンツォのアリア「空よ!そして海よ!」
ジョコンダのアリア「自殺よ」は有名。
この、「自殺よ」はマリア・カラスが執着した歌とのこと。
カラスが死を迎えた時、このアリアのページが開かれていたというまことしやかな話があるそう。
いずれ、上演されることがあったら聴きに行きたいと思う。
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