演出を引き受けてから、楽譜や関連本を当たっている。
観ている時には気づかなかったことが、演出目線でみると気づかされて驚くことがある。
例えばこれ。
貧しい4人の若者は、寒さを凌ぐために、ロドルフォの原稿を燃やすシーン。
…al fuoco.
Lo trovo scintillante.
(…火の中で。
煌めいているのがわかる。)
この後に
Ma dura poco.
(だが、あまり続かない。)
と続く。
この前半が、
フルスコアと、ヴォーカルスコアで、歌う人が違うんです。
フルスコアでは、マルチェッロ、
ヴォーカルスコアでは、コルリーネ。
ロマンティストのマルチェッロが、煌めいているといい、哲学者のコルリーネは冷静に、あまり続かないというのか、
コルリーネ自身が、煌めいているけど、続かないと思うのか。
オペラ界では、フルスコアに基づくのが常識らしい。
けど、実際の演出ではどちらを採用しているんだろうか?
時間ができたら、いくつかの演出を当たってみたいと思っている。
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