カヴァッリ《エリオガバロ》は何故上演中止になったのか? by Mr.辻昌宏

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モンテヴェルディ生誕450年記念にちなんで、8名が各々専門分野での考察を語った。

カヴァッリはモンテヴェルディからヴィヴァルディの時代の中間の人で、本名はカレッティで、クレーマの人だが、ヴェネツィアから来た庇護者の名前がカヴァッリで、本人も気に入ってカヴァッリを使っていた。

題材となったエリオガバロという人はネロに匹敵する悪名高いローマ皇帝(218〜222)で、結婚離婚を5、6回繰り返している。女性の元老院を作り、娼婦を当てたりするなど、権威あるものをおちょくってふざけるのが許された時代だった。

《エリオガバロ》は1667−68にヴェネツィアで上演されるはずだったが直前に中止になり、テクストの書き換えを命じられ、若手のボレッティ(27歳)に委託された。この時、カヴァッリは65歳だった。

理由は2点

1、当時オスマントルコと20年戦争をしており、ヴェネツィアはバチカンと対立していたが、オスマントルコとの戦争をするにあたって、こちらの争いを避けたかった。

2、1630年のペストの流行でヴェネツィアは人口の1/3を失っていてバチカンと対立する元気はなかった。

イエズス会がバチカンに寄ってくる状況から、イエズス会は、皇帝はどんな皇帝でも、殺してはならないというルールだったため、カヴァッリ版では皇帝はオフステージで惨たらしく殺されるが、ボレッティ版では皇帝は悪行を悔いて良い人となり統治を続けている(笑)。

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こう説明を受けると、両者のオペラを比較検討できたらとても面白いと思う。楽譜は両者とも残っているようだから、いつか、聴けることを期待したい。オペラはいつの世もそうだけれど、その時代の流れには逆らえず、紆余曲折しながら生き延びていることも面白い♪( ´θ`)ノ

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