井内先生のお話から抜粋
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初演に向けてヴェルディが望んだソプラノにはことごとく断られて、決まったのはドナテッリというソプラノ歌手だった。ドナテッリはベルカットの技術があり、40歳くらいで、地味な職人系の歌手だった。けれど、ジェルモン親子が風邪をひいていたり、乗り気じゃなかったりする中で、彼女は9回全部歌った。つまり、初演の彼女はさほど失敗ではなかったのが事実だった。失敗だったと言われるのは《リゴレット》に比べてさほどでもなかったという程度。
それなのに何故ヴェルディは失敗だったと言ったのか?
それは初演は失敗だったということにして書き直したかったから。楽譜をさっさと引き上げたらしい。そして、例えば、第二幕の一場でのジェルモンとヴィオレッタの会話をよりドラマティックにしたり、第二幕のコンチェルタートでジェルモンに高音を当てたりしているという。
元の小説、そして、それを元に書かれた戯曲、そして小説を読み(これは根拠があるとのこと)、戯曲を観たであろうヴェルディはより感動的なオペラに仕立てあげた。
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そして今、日本でも、《椿姫》を観ることができる!
ヴェルディよりも後に生まれたのはこの上もなく幸せなことですね〜(しみじみ〜笑)
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初演版の音楽のDVDがフェニーチェ歌劇場2004年の上演で残されているので比較してみると面白いかも!との井内先生のお言葉でした!
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