《ノルマ》ベッリー二 by メトロポリタン歌劇場 at 映画館

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《ノルマ》といえば「清らかな女神よ」

これは何度も聞いているけれど、《ノルマ》をじっくり全編観たのは初めてだった。

《夢遊病の女》や《清教徒》は結構何度も接しているのに!?

10何年もオペラを観続けている割には、観ていないことに我ながら驚く。

さらに驚いたのは、「清らかな女神よ」に勝るとも劣らない美しいメロディが目白押しなこと。ノルマ(ソプラノのラドヴァノフスキー)と若い巫女のアダルジーザ(メゾソプラノのディトナート)の2重唱もこの上なく美しいし、ノルマとポッリオーネ(テノールのカレーヤ)や、アダルジーザとポッリオーネ、そしてその3人の絶妙に絡まる歌声はその世界にどっぷり引き込まれた。

音楽の美しさと同調したり、相反したりしながら進むストーリーは、意外に単純で、3角関係そのもの。でも、その中に、ノルマの、女性として、母として、巫女の長としてという色々な表情が現れ、それをラドヴァノフスキーは見事に演じ歌い分けていて圧倒された。

ディトナートもポッリオーネをしたいつつも巫女としての立場との間で揺らめく乙女心を余すところなく表現していて流石だ。

演出は、奇を衒わずオーソドックスな中に、ケルト人の宗教観を調べて、極力装飾を排して森林崇拝する環境を美しく表現して、オペラのストーリーを支えていて素晴らしい。

幕間の彼のインタヴューで、「ノルマは常に神木と繋がっている」と言ったのが印象的で、確かに各幕とも、神木のイメージを大事にしていた。

「ノルマの自己犠牲は大地への回帰である」とも言っていたが、ノルマは自己犠牲だったのかと考えると、確かに、アダルジーザを守ったのは事実だけれど、ノルマ自身も敵の大将とただならぬ関係になって、それを隠し、子供までもうけていたという事実がある限り、自己犠牲という言葉は当てはまらないように思う。が、最後に毅然と自分の行為を認めたことで、彼の心を取り戻し、彼女はそれでとても幸せな最期だったのだと思う。

金曜日まで上映。

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