講座 《ムツェンスク郡のマクベス夫人》ショスタコーヴィッチ by Mr.堀内修

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今回は耳慣れない《ムツェンスク郡のマクベス夫人》の解説を聞きました。

初演は1934年レニングラード(現サンクトペテルブルク)全4幕ロシア語です。

ショスタコーヴィッチの《鼻》の次の2作目のオペラで、1930年から1932年にかけて作られています。完成時は26歳の若さです。初演は大成功だったが、モスクワでスターリンがみると、途中で出ていったそうです。共産党中央委員会機関紙「プラウダ」に「音楽のかわりに荒唐無稽」と題された無署名の批評が掲載されています。その後、禁止された訳ではなかったが実質、禁止になってしまいました。スターリンは新体制を批判したと捉えてしまった為だそうです。20年に渡り上演がなかったが、1956年ショスタコーヴィとは改訂版を作り、《カテリーナ・イズマイロヴァ》とタイトルを改めて、1963年にモスクワで初演されています。その後、1979年に初めの《ムツェンスク郡のマクベス夫人》のスコアが出版されると、ロンドン、ニューヨーク、ウィーン、ベルリンなどで公演が行われました。ロシア国内では《カテリーナ〜》の上演が多いが、そのほかでは《ムツェンスク郡〜》が多いようです。

東京では2009年に新国立劇場で上演されています。

音楽はコラージュのようで、ポップスっぽいもの、民謡っぽいもの、古典舞曲のようなものまで様々な様相を見せています。そして、歌手陣は身体を張って体当たりの演技も要求されてとても大変なオペラですね。

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第1幕では、意地悪な舅に小言を言われ、夫ジノーヴィとの愛のない生活送っているカテリーナは新しくやってきた下男セルゲイの虜になってしまう。

汚い言葉で罵り合い、レイプシーンの音楽描写があり、通じて美しい場面は一つもない。それは最後まで続く。

第2幕では、情事を終えたセルゲイが窓から逃げ出すと舅に見つかってしまい、舅は下男セルゲイに鞭打つ。舅は息子(カテリーナの夫)を呼びにやらせるが、困ったカテリーナはスープに殺鼠剤を入れて、殺してしまう。ここで、マクベス夫人(シェイクスピアの戯曲「マクベス」に登場する)よろしく、カテリーナは舅の亡霊に怯える。そこへ夫ジノーヴィが帰ってきて、カテリーナと下男セルゲイの不義の現場を押さえ、カテリーナを革のベルトで打ちすえるが、セルゲイにより殺される。

第3幕は、カテリーナとセルゲイの結婚式の最中、納屋に隠していた夫の死体を発見され、二人は逮捕される。

第4幕では、カテリーナとセルゲイはシベリアに流され、愛するセルゲイだけが救いだったが、セルゲイは別の女囚ソネートカと仲良くなり、絶望したカテリーナはソネートカを道連れに湖に身を投げる。

とまぁ、なんとも、終始暗く残酷で救いのないオペラなのです。ところが、音楽は見事に様々な様相を表し、観客を飽きさせないマジックを披露してくれています。第1幕の第3場の孤独を嘆くカテリーナの悲痛なアリアは極めて美しいし、第2幕の第2ばの間奏曲は壮大で、心に迫るものがあるし、第3幕ではちょっとコミカルだったりユーモラスだったりする合唱があったりするのです。

ただ、先にお話したように全編通じてエグいこと極まりないので、お金を出してみに行きたいかと問われたら、唸ってしまいます(笑)

2006: Shostakovich Lady Macbeth, Tomlinson, Ventris

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