《ラ・ボエーム》プッチーニ by 英国ロイヤルオペラ(at映画館)2017/11

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7月にアマチュアオペラ団体の《ラ・ボエーム》の演出を依頼されている。

だから、どうしても演出目線で観てしまうんだけど、それでもあのドドレミドシー(眠っているふりをしていたの〜)のところにくると、すーっと一筋の涙が流れてくる。

プッチーニ・マジック↓

この楽譜をみてください。ブルーのラインマーカーの入っている音に注目していただくと、ド、シ、ラ、ソ、ファ、ミと、一音ずつ下がってきているのがわかります。激情ではなく穏やかに下がってくることで、私たちの心にずん、ずん、っと深く音が落ちていくんですね。伴奏も四分音符のテヌートですから、ズー、ズー、ズー、といったニュアンス。シンプル故に、ずしっときます。これがプッチーニ・マジックですね!

パッパーノ率いるオケはやはり文句なく秀逸。観客に違和感を感じさせることなく音楽が流れて物語に誘導していきます。

演出面で特徴的なのは、歌っている最中に大道具が移動すること。照明の使い方でさほど目立たず移動させるので、物語が途切れないので進むメリットがありますね。

歌手陣はベテランのクヴィエチェンがマルチェッロを歌っていたが他のキャストも声に艶がありよく響き心地良いです。

冒頭のマルチェッロが絵を描きながらぼやくところは、正面を向いて絵を描く仕草をする所謂エアーという演出方法でした。これは初めてみる。実は私は他の部分でエアーを使うことを考えていたので、被らなくてよかったと胸を撫で下ろしていた。余談になるけど、いくらひらめいていても先に他の演出家がやってしまっていてはオリジナルにならない。だから、できるだけ門外不出を徹底して歌手の方にお願いする。《ラ・ボエーム》はメジャーな演目だから、しょっ中あちこちであるからね(笑)

他にも、珍しいところでは、4幕でふざけてダンスを踊るシーンは4人が墨で柱や扉に落書きをするシーンになっていたり、ベッドはなくて、毛布とクッションで即席のベッドを作っていたりした。貧乏なアーティストの家でしかもベッドが一つあるというのも不自然といえば不自然なので、これもありですね。

7月の公演は客席も少ないし、舞台が狭いのでベッドをどうするか、思案中なのでとても参考になった。(でもベッドは欲しいなぁ〜)

こんな風にあれこれ考えながら観ていたにも関わらず、ラストシーンで泣けたのはやっぱり歌の力の素晴らしさ以外の何物でもないですね!

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