講義《ばらの騎士》R・シュトラウス by 井内美香先生

sponsored link

ということで、前回、私のオペラ初体験物語をお話ししましたが、その宝物たるオペラ《ばらの騎士》の講義を聞きました。

究極のあらすじ

夫、元帥の留守中に若い貴族と仲良くなっている夫人。一方、貧乏男爵は成金の娘との結婚を企むが、若い貴族と成金の娘が恋に落ち、男爵をやり込めて結婚を破談にします。夫人はというと、若い貴族への愛ゆえに身を引く決心をしてハッピーエンド!

こう言ってしまうとなんだか身も蓋もないどこにでもあるような話なのですが、これがホフマンスタール(台本作家)とR・シュトラウス(作曲家)の手にかかるとそれは見事な聴き応えのある素晴らしいオペラになるのです。

第二幕で若い貴族が娘に「銀の薔薇」を献呈します。婚約者に銀の薔薇を届けるという慣例があるということで、男爵の来場の前触れとして、若い貴族が「銀の薔薇」を持っていくのです。これはホフマンスタールの作り事なのですが、実に美しいシーンに仕上がっています。そしてその音楽はチェレスタによってキラキラときらめいて私たちを魅了しますd(^_^o)

もう、お気づきかと思いますが、私のブログのsirver roseはここから拝借いたしました(笑)

そして、ラストの3重唱、2重唱もまた、こんな美しい音楽がこの世にあるのかと思うほどの言葉にできない美しさです。

ということで、(前段、長〜笑〜すみません)期待を大にして、講義を聴きに行きました。

〜〜〜

ワーグナーの超大作、《ニーベルングの指環》の後、作曲家たちはワーグナー病(あのような大作を作らなければいけないという強迫観念〜先生の造語です)にかかっていた。R・シュトラウスも多分にもれずで、《グントラム》という超大作を書いて失敗した。R・シュトラウスの家には「グントラムの墓」とされたところがあり、彼はこの作品を永遠に葬ろうとしたらしい。

《サロメ》や《エレクトラ》の行き着く先は無調音楽の世界しかないことに気づいた彼は方向転換しようと、ホフマンスタールに相談し、ホフマンスタールはモーツァルト風で女性歌手が若い男性役を演じる劇をR・シュトラウスに提案した。ロココ調で演劇作品としても十分に成り立つ台本に、音楽が乗って聴衆の聴きたい音楽が出来上がった。

《ばらの騎士》にあって、他の作品にないものはそのみずみずしさだと、岡田暁生さんの著書「オペラの終焉」に書かれている。

ドイツ語のsieとduを巧みに使い分けた台本になっている。特に夫人はsieとduを行き来する。それはプライベートで愛を語るシーンのduと距離を感じたり、他人がいたりするときのsieで、字幕でそれを表現されているのが少ないことは残念だ。

(補足 sieはある程度の距離のある人に対するあなたという意味の言葉、一方、親しくなるとsieは使わず、duを使う。)

〜〜〜

など、映像を交えて、解説された。

よくあるウンチクで、

設定の時代にはないワルツを男爵に使っていること、

ラストの3重唱はR・シュトラウスがとても気に入っていて、お葬式で演奏してほしいという遺言を残したので、お葬式で、ショルティ指揮で演奏されたことなどもお話しされた。

1時間半でこのオペラを語るのは難しいことで、彼女も、語りたいし、映像を観せたいしで四苦八苦(笑)15分の延長で、ラストの3重唱までたどり着いた。でも、え〜2重唱まで聴かせて〜と心の中で叫んでいた人は多かったはず(笑)帰宅して即、2重唱を聴き、そして今、パソコンに向かっている。

コメント

タイトルとURLをコピーしました